虚空に高く伸びた放物線をぼくらはどこまで追いかけられるだろう。
どのぐらいの夢を飛び越えられるだろう。
春一番にのって,きみのところまで届くだろうか。

最後,君の表情はあの霞に隠れて見届けることができなくて
君の呟いた「さようなら」の言葉と交わした握手が最後の思い出だった。
あんなに簡単にぼくらが解けるとは思ってもいなかった。
そんなあのころの僕を,今,心のそこから恨んで,この言葉をあのころの僕に告げる。
君は彼女のことを好きだったんだよ,と。

だから今からまた一から,一から始めるんだ。
まだ遅くはない。
だって 春一番が吹くから。