私に明日の月を見るときなど残されてはいないのでしょう。
太陽を見る時さえも。
私に残されているのは,一口の水と,一口のパン。
それを口にして,最後の呼吸をすることの義務。
そして君への言葉を伝える権利。
雲間から覗く月光のような言葉を伝えられる優しい権利。
泣かないでください。
怒らないでください。
私だけに与えられた暖かい権利を,私は使うだけですから。
そして,これからも何度となく,夢の中で優しく語りかける同じ言葉を捜してください。
それを受け取るのは,あなたの義務なのですから。
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